産後のイライラ・うつにタンパク質と鉄の不足が関係している-分子栄養学の視点から-

産後からイライラしやすくなった、よくわからないけれど涙が止まらず不安な気持ち、気分が塞ぐことがことが多くなった経験がある女性は多いのではないでしょうか。
これらの症状が産後2週間ほど続くとマタニティーブルーと言われ、産前産後の女性のホルモンバランスの変化や赤ちゃんを迎えるという環境の大きな変化が大きく影響していると言われています。
産後に上記の症状が続いているようであれば『産後うつ』と言われるうつ状態、さらに深刻になっているとうつ病になっている可能性があります。
これには女性のホルモンバランスや環境の変化だけでなく、体の栄養、特にタンパク質と鉄が足りていないことが大きく影響していることも考えられます。

今回は栄養的に産後にイライラしやすかったりうつ症状が出やすい理由と、改善方法についてお話していこうと思います。



私たちの感情は幸せホルモンと言われるセロトニンや、やる気を出すホルモンのドーパミン、ノルアドレナリン等、脳の神経伝達物質によってコントロールされています。
脳の神経伝達物質を作るためにはタンパク質をもとに、鉄が必要とされるのですが(その他のビタミンも関与していますが)、女性は10代前半から月経が始まり毎月の月経で鉄が失われているため、必然的に慢性の鉄不足となっているのです。
そのため、月経が始まってから体調が悪くなってしまう女性はとても多いです。
海外ではこの鉄の役割が重要視されており、国の政策として小麦粉やあらゆる製品に鉄が添加されているほどです。
そのため、何の対策もされていない日本においては、ほとんどの女性が鉄不足であると言えます。
さらに、妊娠中から授乳期中は、赤ちゃんを育てるために妊娠前の2倍ほどのタンパク質が必要とされますが、体重の増えを恐れてカロリー制限を意識するあまり、お肉を食べないようにしている方もいると思います。
つまり、意識的にタンパク質と鉄を摂取していない限り、心の安定を司るために重要なタンパク質と鉄が出産時には空っぽになっているのです。

ではどうしたらよいか。
結論から言うと、プロテインとサプリメントを活用することが対策になると私は思っています。
もちろん、食事でタンパク質の多いお肉や魚、卵等を積極的に摂ることが最優先ですが、実はこれでは補いきれないのが現状です。
鉄も同じく、よく「鉄分摂取のためにほうれん草、ひじき」などと言われますが、摂取できる量は極微量で望む効果は全く得られません。(野菜は品種改良や農薬の使用により、昔よりもビタミン・ミネラルの栄養価がかなり低くなっていることも関係しています)
タンパク質も鉄も、食材で栄養素を摂るには限界があるのです。

これを理解していただいた上で、プロテインと鉄のサプリメントを活用していただくのですが、実はプロテインを飲むにも、鉄のサプリを飲むにも注意が必要です。
長年タンパク不足であると、プロテインと鉄の理想とする量を飲むことができないのです
どちらも少量から始める必要があります。

私は高タンパク食を長年続けていたのですが、ホエイプロテインを1度に理想量飲むことがなかなかできませんでした。
一度に理想量を摂ると、お腹が張ってしまう等の不調がでてしまうのでした。
また、鉄のサプリも鉄の含有量が多いとお腹の調子が悪くなったり、吸収しきれていない体のサインがでてしまっていたのです。
私は「改善したい!」気持ちが焦りすぎてお腹の調子が悪くなっていても高タンパク食・プロテインを多く摂るスタイルを変えませんでした。
これが失敗でした。

体がタンパク質を十分吸収できる状態でないのに、高タンパクな食品・プロテインを無理してたくさん摂取し続けていたことが良くなかったのです。
プロテインの摂り方を見直して、プロテインの1回量を減らし、小分けにして摂取することを続けたことで、プロテインを飲んでもお腹の不調となることが無くなりました
腸がタンパク質をきちんと吸収できる状態になってきたのです。
また、これまでと同量の鉄のサプリを飲んでも、不調であるサインが出なくなりました。

プロテインを理想量飲めるようになって、鉄のサプリを摂っても問題無いようになってから、心身ともに楽になってきたと実感しています。
考え方が悲観的にならなくなり、頭がクリアで行動的になってきました。
これはあくまでも主観的な感覚的なものなのですが、今後は血液検査をして、産前・産後、現在の比較をして検証してみたいと思います。



私自身が産後うつ状態であり、本当に苦しみました。
私がずっと余裕なくイライラしていたため、家族関係は良好とは言い難い状態でした。
私自身「もうおかしくなっている。出産前の穏やかだった私はどこへいってしまったのだろう」と思っていたほどです。
夫は積極的に育児をやってくれていたのですが、それでも「本当の大変さをわかってもらえてない」気持ちがいつもあってイライラしたり、物事を悪く捉えがちでした。
もちろん、栄養が全てとは思っていません。
先にもお話したように、ホルモンバランスや環境も大きく関係しているとは思います。
心理的な側面もあると思います。
ですが、タンパク質と鉄を満たすことで産後のうつ症状が改善している症例が分子栄養学を実践しているクリニックでは多数挙げられています。

私の場合は長年深刻な鉄不足であったことに加え、幼い頃からの胃腸の弱さ、出産時の出血量の多さ等の要因があり、回復するの時間を要しました。
また、高タンパク食とサプリメントの取り入れ方が上手くできていなかったことも、回復に時間がかかった要因であったと思います。

タンパク質と鉄を取り入れるだけで、母親自身も家族も、皆が幸せになる可能性があると私は思っています。
多くの方にこの情報が届いてほしいと願うばかりです。

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